こどものいびき・睡眠時無呼吸症候群

こどもの睡眠時無呼吸症候群で、もっともわかりやすい症状が「いびき」です。
もちろん、いびきをかくこどものすべてが睡眠時無呼吸症候群であるとは言えません。睡眠時無呼吸症候群のサインは「いびき」だけでなく、息苦しさからこどもの寝相に変化が出ることがあります。

こどものいびき・睡眠時無呼吸症候群

「いびき・無呼吸」の原因について

こどもの「いびき・無呼吸」の最多の原因は、アデノイド・扁桃肥大です。
また口呼吸となるアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎による鼻閉も関係します。その他、小さな顎、下顎が後退していること、肥満も原因となります。

「いびき・無呼吸」の症状

夜間の症状

・はげしいいびき
・呼吸が止まる
・寝相が悪い
・口呼吸となる
・おねしょが続いている

日中の症状

・多動
・注意散漫・落ち着きがない
・異常行動
・眠気
・起床困難
・朝の頭痛
・胃液逆流
・低身長で悩んでいる

「いびき・無呼吸」がもららす影響

お子さんの睡眠時無呼吸の治療の重大な点は、治療(手術)のタイミングが遅れると、手術後に成長が改善することはあっても、早い時期に成長が抑えられていたことで、標準的な状態(身長など)までには至らない可能性があることです。
お子さんでは心と体が発育する過程なので、大人の方以上に実は深刻なのです。

①成長障害

低身長やあごや顔の骨の成長不全につながる可能性があります。
特に低身長は5才以下で治療をすると、非常に効果がありますが、6才以上だと手術をしても手術後2年目からの身長の伸び方が鈍ってしまいます。あごが小さいことも、早めに治療をして、5才以下で手術をすると一年であごが出てきます。

②神経機能の発達への影響

不注意や多動、問題行動や学業不振に影響があります。
学業不振においては、海外の報告では手術を受けさせたグループのみ、1年後に成績が向上したというデータがあります。

③代謝系への影響

治療をせずそのままにしておくと、肥満やメタボ予備軍になる可能性があります。

④夜尿(おねしょ)

夜尿(おねしょ)は睡眠時無呼吸があると、8~47%になんらかの影響があるといわれており、手術をするといい効果があるというデータがあります。

治療について

息の通り道が狭くなっている部分に対して治療をおこないます。例えばアレルギー性鼻炎の治療をすることで無呼吸が改善する場合もありますし、慢性鼻炎・副鼻腔炎があるようなら、その治療を続けます。
アデノイド・扁桃肥大による場合は、手術の可能な病院の耳鼻咽喉科で外科手術を行います。また下顎後退が認められる場合、小児歯科・矯正歯科で歯科矯正を検討することもあります。

検査

鼻のレントゲン、鼻・のどのファイバー アプノモニター(総合病院へ紹介にて)